社区001の北京地区トップページ。配送先のエリアを地図上から選んでいく。

社区001の北京地区トップページ。配送先のエリアを地図上から選んでいくと、該当するページへ飛んでいくようになっている。現在、北京、上海、広州、深圳、瀋陽、杭州の6都市で展開されている。ちなみに北京では長安街より東西二環路から北三環路までの地区では取り扱いをしていないようだ。

最近ちらほらと名前を聞く「社区001」。現在では北京を筆頭に、上海、杭州、深圳、瀋陽、杭州の6大都市で展開が始まっているサービスです。サービスそのものはごく最近始まったようなのですが、一体どのくらいのサービスなのか、試してみることにしてみました。

きっかけは、先日の土曜日に、筆者が住んでいる小区(団地)にプロモーションを行っていており、興味を持ったからです。かれらのキャッチフレーズは、「中国领先的住宅社区在线购物超市」(中国をリードする住宅コミュニティ・オンラインショッピング・スーパーマーケット)というもので、サブキャッチフレーズが「1小时即时送到您家」(1時間で、直ちにあなたのお家にお送りします)というもので、シンプルな画面に反して、なかなか挑戦的なキャッチフレーズです。

筆者宅の団地で開催されていた社区001のイベント会場。夕方7時頃まで開催していた。

筆者宅の団地で開催されていた社区001のイベント会場。夕方7時頃まで開催していた。

ちなみに、ウェブページはきちんとした物ですが、基本スマートフォンからの利用をベースに考えているようで、トップページには微信(WeChat)のQRコードが表示されており、スマートフォン版社区001は、微信内のアプリとして稼働するようになっています。

商品ラインアップをざっと見てみたところ、そこまで安くもないし、べつにたかくもない。普通のスーパーに売っている程度の感じの金額で、ラインアップもそれほど多くもない状態でした。ちなみにサントリーのウーロン茶などは売っていないようです。主に生活用品の宅配と時計などの高額商品の宅配は分かれているようですが、ここは他のECモールとどのような差別化がされているのか、生活用品を試してみることにしました。

団地のキャンペーンでは、スタッフがQRコードを書いたボードを持っており、訪れた人は当たり前のようにスキャンしていく。

スタッフがQRコードを書いたボードを持っており、訪れた人は当たり前のようにスキャンしていく。

今回購入してみたのは、ビール(哈爾浜ビール)330cc×6本詰めのパック、その他無くなりかけていたので自宅で食べる米(5kg×2)、などを購入してみました。支払い方法は貨到付款(着払い)。オーダーは週末の土曜日午後8時(20時)。こんな時間でもちゃんと取り扱ってくれるんでしょうか。

ちなみに、これまで北京市内でECを通して購入したことのある物のうち、最も早いのが京東(JD.com)か、1号店(yhd.com)でして、それでも当日朝にたのめば、運が良ければ夜中までに来るかな、もしくは今日頼めば明日早い時間に到着する、というものでした。ですので1時間後に頼んだ物がやってくる、というのは正直にわかに信じがたい物がありました。

さて、オーダー直後(1〜2分後)に私の携帯電話がけたたましく鳴り響き、社区001のスタッフから注文商品の内容確認と配達先に関する確認電話が来ました。

社区001の微信の中のポータル。ここから発注してみた。

社区001の微信の中のポータル。ここから発注してみた。

ここで、オーダー時はビールは330cc×6本詰めのパッケージ1個のみをオーダーしていましたが、非常に安かったので(1パッケージ10.9元)、2パッケージ欲しい旨を伝えました(イレギュラーですね)。すると「私は運営側のスタッフでイレギュラーには対応出来ないため、暫くすると配送スタッフから確認の電話が入ると思うので、その時にその旨伝えて欲しい」という回答でした。

まぁ初めからイレギュラーをお願いしているのはこちらでダメもと承知の上でのオーダーなので、正直この時点で「う〜ん、これはアカンやつかもしれへんなぁ」と思っていました。その後暫くすると(オーダーから大体20分後くらい)、実際に配達にやってくるスタッフから電話がかかり、再度商品内容の確認と配達先の確認を行い、その際に「ビール2パックにしてくれますか?」と頼むと「了解です!」とのこと。おお、結構対応良いじゃないか、このサービス!

夜の8時03分にオーダーをして、到着したのが9時05分。おお、ほぼ1時間だ!!これはすごい。で、色々と配達してきた人に聞いてみたところ、下記のような具合らしい。

20:03分にオーダー完了

20:03分にオーダー完了

  • カルフールと提携をしているようで、社区001本体には在庫がないようで、カルフールで販売している商品をそのままお届けしている。
  • ワールドカップ開催期間中〜2014年8月1日までは24時間配達に対応しているので、テレビ観戦時にビールが無くなっても直ぐに持ってきます。
  • 初回登録時には10元割引券を微信で配信しているので、是非使って欲しい。
  • 不足していると思われるサービスなどあれば随時指摘して欲しい。

などなど。

正直、ピザの出前感覚で、ここまで素早く持ってきてくれるネットスーパーは初めてです。多分日本でもそうそう滅多にないんじゃないでしょうか。。。それにしても、8時03分にオーダーして、9時05分に持ってきてくれた、それもオーダー途中で変更していた、というのにです。正直これにはびっくりしました。

美味しく頂いた哈爾浜ビール。

美味しく頂いた哈爾浜ビール。

中国という国は、やりかけるととことんまで突き進んでしまうという側面を持っている国であるというのは、長年北京にいて体感しているものの、多少荒削り感はあるものの、ここまでのサービスを投入するというのは、なかなか出来ないことだと思います。

今回は、本来は中国のECについて書いてみようと思っていたのですが、そのECの概念を覆すネットスーパーを体験してしまったので、先にこちらの記事を書いてみました。次回は、ECやそれに潜在している問題点などに関して書いてみようと思います。